人間、目標を持つ事ってとても素晴らしい事だと思います。大なり小なり目標を持つことで毎日に張り合いを持てるしね。
その目標・・私の場合、今日まで“アブラボウズを釣って食べる事”でした。なぜなら美味しいらしいから!
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38歳のオヤジの目標にしてはガキっぽい目標ですが、これが以外と結構大きな目標です。そう、アブラボウズはなかなか釣れない、深海の巨大魚だからです!(巨大=大きな目標)
おかげさまで仕掛け作成、HPや某釣り雑誌等で研究、イメージトレーニングとこの数ヶ月、実に張り合いがありました。
3本針1つ、2本針2つ。他の深場釣りの仕掛けに比べて大柄ではあるが単純な分簡単である。
さてこのアブラボウズ、珍しい魚ではありますが聞いた事がある人は以外といるのではないでしょうか。
実は数年前、某料理店等が高級魚のクエ(九州地方ではアラ、関東ではモロコと呼ばれているところもあります)と偽造して店でだした事で一躍有名になった事があります。アブラボウズも比較的高級な部類の魚だけど、クエは更に卸値換算でその数倍はいくらしい。アブラボウズに罪はないけど、なにかと悪いイメージでマスコミに登場してしまったちょっとかわいそうな魚なのです。
そんなアブラボウズも最近はかなり株を上げていらしい。元々伊豆地方では“おしつけ”の名前で古くから珍重されているし、クエには劣るも近年銚子港で水揚げされたものはかなりの高級品として取引されているそうだ。高級品・・という事はきっと美味しいに違いない!(冒頭にも書きましたが)近所のスーパー等では見かけることはまずない魚のため、一番の近道は自分で釣るしかない。というわけで私の目標になったワケです。
今回お世話になった釣り船宿は北茨城・平潟にある第十五隆栄丸さん。夏から冬にかけてマダラ釣り、年間を通してメヌケ(バラメヌケ)釣りで有名な釣り船宿です。深場二枚看板に続いてキンキやアブラボウズの乗合船もやってくれるので、深場釣りをやっている人の間では結構有名な釣り船宿だったりします。
19トンの船。こんなに大きい船、初めて乗りました。
集合は朝4時、船の前で受付を済ませ料金を払い氷とメヌケ用のエサ(イカ短冊)を貰います。そして釣り座を決めるくじ引き。私は左舷ミヨシに決まりました。出船は4時半。本日の釣り客は9名。相変わらずこの手の釣りは平均年齢が高く、更に皆乗っているクルマもデカくて高級っぽいものが多いです。私のチャイルドシートつき軽自動車とは大違い。
よく見てみると、みなタックルを2つ持ってきている。「まさか2本竿でやるのかな」なんて思って話しかけてみたらそうではなく、アブラボウズ(オモリ500号)とメヌケ(オモリ300号)を使い分けるそうだ。私と同じく1タックルで済まそうという釣り人は1名いたが、やはりというか初挑戦との事だった。・・次回、もしクルマが大きくなったら2タックル持ってくることにしようと思います。
暗くてみにくいけど、クーラーも巨大です。皆、80リッター以上!中には150リッター持ってきた方もいました。ちなみに私のは43リッター。大物釣れたら大変!って、釣れたらの話しですが。(釣れましたが!)
船が港をはなれた。ここから約2時間走るそうだ。そういえば眠いのでキャビンに入ると・・良い感じに畳敷きである。なんだか気持ちいい。揺れで熟睡はできなかったけど、だいぶ徹夜の疲れはとれました。
前方キャビンはこじんまりしています。そして所狭しと勇者の写真が貼られています。皆カッコいいぜ!
辺りがすっかり明るくなった頃、ようやく船のエンジンの音が小さくなり、皆キャビンからでてきて支度をしはじめる。
エサはなんとスルメイカ(orヤリイカ)1パイがけ!降下中にくるくる回るといけないので、エンペラは切り落としてつけます。
因みに私のタックル&仕掛けは・・
竿 : ディープクルーザー400w
リール : コマンド8s
針 : フジッシャー毛針紫28号×2 ムツ25号+ホタルベイト5号×1
(船宿に聞いた仕掛け:ムツ25以上2本針、幹糸・ハリスは同)
糸 : 道糸PE10号、幹糸40号3.5m、ハリス30号1.5m、捨て糸14号2m
オモリ : 500号(船宿指定)
その他 : 水中ライト
こんな感じ。ちなみに上記針は某釣り雑誌にてディープマスター・テル岡本氏が伊豆でのアブラボウズ釣りで推奨していた針を第十五隆栄丸仕様にサイズアップしたものです。因みに常連さんも似たような感じで、針は皆空針&大型ホタルベイトの組み合わせでした。
この記事がきっかけになりました。アブラボウズの印象を180°変えてくれる記事です。
まず始めのポイントは水深620m前後。トモから順に仕掛けを入れていくのでミヨシの私は一番最後。針数少ないのでなんなく投入成功。オモリが着底したら糸フケをとり常連さんから教わったここでの基本“底トントン”の状態をつくります。底は岩礁なのでたるませると根がかりしてしまうようだ。オモリロスとは痛いし、かといって釣りたいのでこまめに底立ち取り直し“底トントン”をキープしていく。しかし、このポイントでは4投して誰もそれらしいアタリなし。私はなぜか丸々1パイ掛けのイカ餌でホラアナゴ1匹釣りボウズ回避が精一杯。船長が移動を決断しました。
水深619m。500号オモリとディープクルーザー、底トントンなら相性いいかも。
ここでも釣れてしまったホラアナゴ。今度はちゃんと写真撮りました。
30分程走って今度は水深540m前後のポイントで再開しました。そうしたら仕掛け投入して間もなく右舷の2人からアタッたコール!一気に船内盛り上がり皆で当たった竿を見に行きます。私も近くにいって見てみると、深場とは思えない程ハッキリしたアタリ!どう見ても超硬そうな竿先が20センチ位ガックンガックン動いています。「今300!」「あと200!」「100切った!」と、只今の主役からコールされるたびに皆が振り向き、自分の釣り竿にも集中していきます。実はこのアブラボウズ、群れている魚なので誰かが釣れるとその流しで連ちゃんになる事が多いらしい。皆それを知っているのです。
竿がガックンガックン。日ごろのストレスから解放され(たのかどうかはわかりませんが)意気揚々となれる一時です。いい大人が少年のよう!
しばらくするとアタリがあった片方の方が「バレたー」と天を仰いだ。船長も悔しそうだ。そしてもう片方の方は、
そういえば、ギャフを使う釣りって始めて!
無事にギャフアップ!船内一気に盛り上がり、皆でおめでとうと言います。一発大物釣りの乗合船って、船自体が一つのチームみたいです。
そしてその盛り上がりがおさまる間もなく、私の竿先が海面に突き刺さり糸が10m位もっていかれた。一気にテンションが上がり「せんちょおおおー」と思わず叫び、ドラグを再調整して巻き上げ開始!心臓バクバクです。なにやら後ろのミヨシの方もアタッたらしいけど、気に留めてる場合ではありません。しかし、400mの所で軽くなる。船長が「はずれたっぺか」とつぶやく。ああ残念。諦めて高速で糸を巻くと、しばらくして竿先がガックンガックン海面を叩きだした。どうやら後ろの方とまつっているようだ。共同作業で魚を上げギャフアップし緊張の針確認をしてみると「にいさんおめでとー!」と針確認をしてくれた方が一言。まつった相手に「すいません」と一言いうが心の中では勝利の雄叫びでした。ヨッシャー!
25キロ、推定90センチです。43ℓクーラーに入らない!(後で尻尾を切り落とし格納しました)
その後、船中で3本上がり合計5本(トータル7投)になった所で終了。船長が「メヌケ2本流して帰るっぺ」と言い、アブラボウズ釣りは終了しました。事前に電話でおかみさんに確認したときはアブラボウズ5流し、メヌケ5流し位と聞いていたので、本日は船長の機転でアブラボウズ重視でやってくれたようです。
「オモリは面倒だから500でやるよ」と船長が言い、皆タックルそのままで準備。イカ餌をつけて針を船縁にセットする。掛け枠投入でもいいらしいが、私の釣り座だと右手に持って投入しなければいけない(伊豆スタイル)。しかし私の仕掛けは左手で持って投入するよう巻いてある(外房スタイル)ので、巻きなおしも面倒なので船縁に並べて投入する事にしました。
メヌケは2投目で船中ポツポツ上がったが私はゼロ。しょうがないです。私はこの時アブラボウズをどう捌いてやろうかという事で頭がいっぱいだったのだから・・
船宿HPの写真。本日No1のビッグワン・28キロだそうです。因みに左端でボーッと座ってるのは私。
というわけで、まな板の上のアブラボウズとの戦いは後日書きます。
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